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【金融商品】高利率でも要注意!?EB債の仕組みを解説

【金融商品】高利率でも要注意!?EB債の仕組みを解説

今日から仕事はじめという人も一部いらっしゃるのではないでしょうか。

街は慌ただしく動いています。みなさまいかがお過ごしでしょうか。

さて、今日は株式の話ではなく、社債の話をしたいと思います。

先日、SBI証券のHPを見ていると以下のような画像が飛び込んできました。

利息が年7.8%つく社債です。画像だけ見ると、すごく利回りがよいように感じますよね。

ただし、目論見書を見てみると、利息の条件、償還額の条件等が複雑にかかれており、

一目見ただけだと、「結局どうなるのか」がわからない状況でした。

そこで、今回は、高利回りの社債について、アリかナシかを調べてみたいと思います。

まずは社債と株式の違いを確認

まずは、社債と株式の違いから、整理していきましょう。

株式

株式は、「出資」という形になります。企業のバランスシートで言うと、「資本」の部分になります。

企業は株主に対して、株式で得たお金を返済する義務はありません。

代わりに、配当等で株主還元を行っています。また、企業業績によって、株価は上下変動します。

社債

社債は、会社が出している「債券」になります。債券であるため、企業のバランスシートでは、「負債」の部分になります。

つまり、企業は、社債のホルダーに対して、返還の義務を負っているわけです。ここが株式と最も異なるところです。

企業の倒産等がなければ、基本的には返還される性質であるため、株式よりも利回りは低いことが多いです。

つまり、一般的には、

利回り: 株式>社債

リスク: 株式>社債

であると理解すればよいでしょう。

早期償還条項付・他社株転換条項付について解説

では、今回の社債を複雑にしている、早期償還条項付、および他社株転換条項付という項目について解説しましょう。

早期償還条項とは?

これは、まだわかりやすいですね。字のごとく、満期より前に償還されることがある条項です。

株価と連動しており、株価が上昇すれば、その時点で終了する、という商品なんですね。本商品の場合は、株価が105%を超えれば、その時点で社債は償還され、終了します。

他社株転換条項付とは?

これは、さらにわかりづらいでしょう。今回は小松製作所の債権なんですが、なぜ「他社」が出てくるのか、私も最初は混乱しました。

今回、あくまでこの債券を発行しているのは、「香港上海銀行」です。香港上海銀行の債券を買うんですね。小松製作所は、あくまで株価の連動先になっているだけです。

しかし、転換条項が発動すると、「香港上海銀行の社債」「小松製作所の株式」になるのです。これが一番わかりづらい理由になります。

転換条項は、「ノックイン事由が発生した場合」に発動します。今回の場合は、「小松製作所の株価が当初の70%を下回った場合」になります。

一言でいうと、「株価が下がった場合、受け取るのは下がった株式になりますよ」という商品なのです。しかも、その株式の受取数は、「社債を買った時点の日付の価格」になることがポイントです。

こういった商品は、世間では「EB債」と呼ばれています。

結局、どういう時にどうなるの?

まだわかりづらいと言う方も多いでしょう。結局、どういう時にどうなるのか、簡単に説明します。今回は、上記2つに加え、利率が株価によって変動します。

【前提】

小松製作所の株価:4500円(計算を簡単にするために、少し上げています。9日現在では4350円前後です。)

投資額:50万円

償還期間:1年半

利息:3ヵ月ごとに支払い

利率判定水準:株価×85%で判定、つまり、株価が3825円を超えていると、利率は7.8%、超えていない場合は0.1%

早期償還判定水準:株価×105%、つまり、株価が4775円を超えたとき

ノックイン事由:株価が当初価格の70%を下回ったとき、つまり、株価が3150円を下回ったとき

※株価の期中の上下は一旦無視し、翌日から最終日まで同じ株価で推移したとします。

【結果】

株価が105%~で推移した場合

初回の利息(7.8÷4=1.95%)、つまり9750円の利息を受け取って、終了。元本は現金で満額償還

株価が105%~85%で推移した場合

利息6回分、つまり58500円の利息を受け取り、終了。元本は現金で満額償還。

株価が85%~70%で推移した場合

利息は0.1%を6回分、つまり750円の利息を受け取り、終了。元本は現金で満額償還。

株価が~70%で推移した場合

利息は0.1%を6回分、つまり750円の利息を受け取り、終了。元本は小松製作所の株100株+5万円で償還。小松製作所の株価が70%の3150円だとすると、償還額は合計で365000円で、135000円の損失

つまり、株価が85%~105%で推移する場合は最も高い利益が出て、70%を一度でも割ると、元本損失のリスクがある、という商品になります。

金融機関サイドから見た、本商品のメリット

一方、この商品を金融機関サイドから見てみましょう。

金融機関が小松製作所の株を同時期に買うとします。

株価が105%を超えた場合、金融機関は株式を売却して5%の利益を得ます。その中から1.95%を顧客に還元します。金融機関は大きな利益を得ます。

一方株価が70%を下回った場合、株式を売却せずに、株式で顧客に還元すればよいのです。リスクを転嫁することができました。

105%~70%の場合は、顧客には現金を支払わなければいけません。この場合、金融機関は孫をすることになります。(ただし、85%を下回った場合の利息支払いは減るので、ここでもリスクヘッジをしています。)

つまり、アップサイドの利益をとりつつも、金融機関のリスクは減少するという、金融機関にとってはうまみのある商品になるわけですね。

高利回りに踊らされず、本当に得かどうかを見極めよう。

実は、株価が105%~85%にずっと収まっている企業は、そうそうありません。特に、この上がり場の局面では、どこかで105%を超えてくるシーンが訪れるでしょう。また、仮に市場が暴落した場合、下げ幅は30%でおさまるとは限りません。

株価が極めて落ち着いている場合、こういう商品はアリだと思います。しかし、実際のところは、金融機関の手数料が上乗せされている分、我々投資家にとってはメリットが小さい商品といえるのではないでしょうか。

年利7.8%は、確かに極めて魅力的です。しかし、本質を見たときに、本当によい商品であるかどうかは、よく検討していったほうがよいですね。

私は、得か損かという観点より、複雑な仕組みがイヤなので、本商品は買わないだろうと思います。だったら普通に株を買ったほうがよいと思いますね。

利回りに惑わされず、長期的に利益が最大化する商品を買っていきましょう。

それではごきげんよう。