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【高配当戦略】正味現在価値(NPV)を活用した、高配当株への投資判断とは?

【高配当戦略】正味現在価値(NPV)を活用した、高配当株への投資判断とは?

SOSEKIです。

先日の記事でも紹介しましたが、私は、高配当株、連続増配銘柄を保有しています。こちらについては、買い増ししながら、基本的に現金化せず、配当を再投資していく予定です。現在、年間20万円程度と、わずかながら資産の増加に寄与しています。

私のポートフォリオはこちらに記しています。

【投資】ポートフォリオ間の最適な資産バランスに関する考察

その中で、今後、どの資産に割り振りを行うか考えるタイミングとして、「高配当株の買うタイミング」を考えていますが、ここについて、ある仮説を考えたので、それを共有したいと思います。

今後入ってくる配当>投資金額であれば買い、そうでなければ買わない

仮説としてはシンプルです。今後入ってくる配当が、投資金額を上回るようなら買いで、そうでなければ買わない、ということです。

今後、ある株式を買うとします。その配当が将来的に100ドルの配当金を生み出すとします。その株式が80ドルで売られていれば買い、120ドルで売られていれば買わない、というシンプルな選択です。

しかし、シンプルに、たとえば年間5ドルの配当金があるとして、それが20年続くと仮定し、100ドル、たとえば30年だったら150ドルなんですが、いったい将来的に、どれくらい配当金を貰えると推測すればよいのでしょうか。ここが一番のポイントになりますよね。

ここで、使えそうなのが、現在価値(PV)の考え方です。企業価値を評価するときには一般的に使われる現在価値の考え方ですが、これを配当金に応用できないかなあ、というのが今回の試みです。




現在価値の考え方とは?

配当の現在価値を考えるにあたり、現在価値の考え方を整理しましょう。

現在価値とは、「将来得られるお金を、現在の価値に換算したもの」を表します。これが意味しているのは、将来の5ドルと、現在の5ドルは違う、ということです。

ちなみに、1年後の5ドルと現在の5ドル、どちらが価値が高いかわかりますか?




正解は、現在の5ドルの方が価値が高い、です。

理由はシンプルです。現在5ドルであれば、仮に金利が5%であれば、預けておけば、1年後には5.25ドルになります。そのため、今のほうが価値が高いのです。逆に言えば、将来の先が長ければ長いほど、その5ドルの価値は低くなるのです。1年後の5ドルと、10年後の5ドルでは、1年後の5ドルのほうが価値が高くなります。

これは複利の考え方と似ています。今のお金を複利で運用すれば、将来得られる価値(=将来価値)はどんどんあがる、というのが複利の考え方です。逆に、現在価値とは、将来得られる価格は、今の価値でいうと、先であればあるほど、小さくなるよ、というのが考え方です。

現在価値は、DCF法(企業の将来のキャッシュフローを計算する方法)で企業を評価するときに使われる手法です。一般的に、企業を評価するときは、以下の式で算出されます。

将来得られるFCFをFCF、pを割引率と考えると、以下のように考えられます。

これを、無限期間で計算すると、以下のような式になります。gはFCFの成長率です。

ずいぶんと簡単な式になりましたね。しかし、数学的に、これが、企業評価における現在価値の考え方です。これを、高配当投資に置き換えて考えたい、と思います。

高配当投資における配当金の現在価値算出モデル

では、これを高配当投資におきかえましょう。ポイントは以下のあたりになりそうです。

1.配当金の成長率をどう推計するか

2.割引率をどう推計するか

それぞれについて議論していきましょう。



配当金の成長率をどう推計する?

配当記の成長率をどう推計するかは、割と決めの問題が大きいと思っています。配当金については、増えることも減ることもあります。一般論として、過去5年の増配率というのは、一つの参考になりますね。たとえば、1年、5年、10年の増配率をそれぞれ持ってきて、比較してもよいかもしれません。(今回は5年増配率で計算してみます。)

割引率をどう推計する?

割引率の概念のほうが、少し難しいかもしれません。一般的には、DCFにおいては、割引率は、WACC(加重資本平均コスト)というものを使います。これは、企業が、どれくらいのコストで資金調達しているか、というのを示す指標です。なので、配当株について、WACCを使うのは、あまり現実的ではありません。

ではどのように、割引率を推計すべきでしょうか。原点に立ち返りましょう。




割引率は、「無リスクで得ることができるリターン」というのを一般的に使います。であれば、比較対象はBNDでもいいかもしれません。しかし、本来は、「ほかの投資法に比べて、合理的にリターンが高い水準」を目指すべきです。というわけで、比較対象となる割引率は、「SPY」のリターンで見てみてはいかがでしょうか。

この場合、このモデルで計算される、高配当株の現在価値が、今の株価よりも高ければ、理論的には、「この株価に投資することで、SPYより高いリターンを得ることができる」ということになります。

一方、高配当投資であれば、目標とする利回りがありますよね。それをターゲットにするのも1つの手です。たとえば、利回り5%であれば、5%を割引率としてもよいかもしれません。そうすれば、現在価値が今の株価より高ければ、「年利5%の投資より、高配当株に投資をしたほうが、将来的なリターンは高い」ということになります。

いずれにせよ、割引率の設定が、この現在価値を使ったモデルにおいては重要です。私は、SPYの5年平均成長率が妥当だと考えていますが、ここについてはいろいろな考え方ができるでしょう。

実際に、高配当株は魅力的な投資なのか?

では、実際に、このモデルを使って、シミュレーションしてみましょう。連続増配株高配当投資といえば、日本ではバフェット太郎氏ですよね。彼の、「バフェット太郎10種」を使って、シミュレーションしてみたいと思います。今回、データは、DRIPを参考にしています。また、割引率には、SPYの5年平均リターンと、5%の両方を採用しています。SPYの5年リターンは、7.62%(1/31時点)で計算しています。また、期間は有限であった方が、より実際の投資に近いだろう、ということで、20年間という期限をもっています。(※市場は我々が何年保有するかを加味しないので、期限を設定するという妥当性があるかはわかりませんが、実際問題我々は有限期間でのリターンを最大化すべきなので、期限を設定しました。)

Symbol Name 株価 配当利回り 配当金(年間) 5年増配率 配当金の現在価値
vsSPY vs5%
MO Altria Group Inc. 49.39 6.48 3.20 8.32 68.54 90.15
KO Coca-Cola Company 47.35 3.29 1.56 7.44 30.65 40.04
XOM ExxonMobil Corp. 68.19 4.81 3.28 7.02 61.87 80.59
IBM International Business Machines 113.67 5.52 6.28 12.32 202.84 274.63
JNJ Johnson & Johnson 129.05 2.79 3.60 6.71 65.91 85.64
MCD McDonald’s Corp. 177.57 2.61 4.64 5.94 79.00 102.05
PM Philip Morris International 66.76 6.83 4.56 5.80 76.65 98.91
PG Procter & Gamble Co. 91.92 3.12 2.87 4.37 42.24 53.90
VZ Verizon Communications 56.22 4.29 2.41 2.88 31.06 39.18
WMT Wal-Mart Inc. 93.15 2.23 2.08 5.44 33.80 43.49


上記のような結果になりました。SPYをベースにした上で、今が買い時(現在価値>今の株価)なのは、MO、IBM、PMの3銘柄になります。IBMについては、直近5年の増配率が高いため、現在価値が大きく今の株価を上回りました。また、MO、PMのタバコ銘柄は、今は売られすぎ、ということですかね。この2銘柄は、利回りの観点からいっても、7%を超えているので、魅力的な銘柄ではあります。

あくまでこれらのモデルは、「5年間の増配率が今後も続く」という「SPYの5年平均リターンが継続して続く」ということになっています。もちろん相場はそんな簡単ではないし、下落相場の時はまた違ったモデルになるでしょう。

高配当投資は、モデル化して、基準を作ってもよいのでは?

あくまでこれらのモデルは、「5年間の増配率が今後も続く」という「SPYの5年平均リターンが継続して続く」ということになっています。もちろん相場はそんな簡単ではないし、下落相場の時はまた違ったモデルになるでしょう。また、企業の倒産リスクや減配リスクは現在織り込んでいませんが、こういったものを織り込むと、また、現在価値はかわってきます。なので、あくまでこの現在価値は、参考、ということになります。

ただ、ここで1つ言えるのは、「高配当投資における意思決定は、モデル化できる」ということです。モデル化することで、自分の中で投資基準が生まれ、それを淡々と実行することで、ぶれない投資が可能になるかもしれません。

今現在、私は、「5年平均増配率を加味した配当金」および「5年のS&Pリターンを割引率に採用」を採用して、現在価値が今の株価より安ければ買う、という方法をとりたいな、と思っています。そういう意味では、PMなんかは持っていませんが、分散という観点で、買い増しを検討してもよいかもしれません。

配当金投資は確かに魅力的です。しかし、「ただ利回りがよい」に飛びつくのではなく、ただしく配当の現在価値を理解したうえで、投資を続けていきたいですね。

それではごきげんよう。

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