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「逃げ切り計算機」では逃げ切るのが難しい理由とは?

「逃げ切り計算機」では逃げ切るのが難しい理由とは?

SOSEKIです。

ここ数日、また逃げ切り計算機がブームになっています。

逃げ切り計算機自体には問題はないのですが、逃げ切り計算機を使えば、本当に逃げ切ることができるのかどうか、というか正しく逃げ切り計算機を使えているかどうかについては、考える余地がありそうです。今回は、逃げ切り計算機の罠について解説します。

逃げ切り計算機とはいったい何か?

まず、そもそも、逃げ切り計算機とは何か紹介しましょう。逃げ切り計算機の説明には、以下のように書かれています。

今ある貯金だけで生き延びていこうとした場合、貯金が何歳まで保つかを試算します。

シンプルですね。9つの項目をサイトで入力することで、貯金が何歳まで保つかの試算がなされます。

  • 現在の年齢
  • 現在の貯金額
  • 年間リターン
  • 年金支給開始までの年間支出額
  • 年金受給開始後からの年間支出額
  • 年金受給開始年齢
  • 受給年金の月額
  • 年間インフレ率
  • 受給年金のインフレ連動

こういったシミュレーションをすることに何ら問題はありませんし、そして、投資のモチベーションにつながるので、どんどんやった方がいいと思っています。しかし、反面、大きな落とし穴があるなあと思いました。

逃げ切り計算機をに潜む罠とは?

逃げ切り計算機には、どういう罠が非村営るのでしょうか。それは、年間リターンと、年間インフレ率になります。

この逃げ切り計算機を使っている多くの人は投資家です。そのため、年間リターンは、3~5%で設定されている人が多いようです。一方、年間インフレは、0~2%で計算している方が多いようです。確かに過去20年の日本のインフレ率と、米国株のリターンをあわせると、これくらいの数字で設定しておけば、まあ堅いところと言えるでしょう。

しかし、本当にこのリターン、インフレ率が続くのか、そこには疑問を持つべきだと考えます。

インフレとリターンの関係とは?

基本的には、株価とインフレというのは強く密接しています。基本的に、景気がいい時は、株価もインフレ率も上がる傾向がありますし、景気が悪い時は、株価もインフレ率も下がる傾向があります。

ではここで、1970年からのS&P500と米国の消費者物価指数を見てみましょう。以下のようなグラフになります。

(出所:Online Data Robert Shiller

もちろん、軸が違うため、一概に比較はできませんが、消費者部下指数が直線的な増加を見せるのに足し、S&P500は直近強い上昇を見せているものお、たとえば1999年から2010年まではほとんど伸びていない状態にあります。

一方、インフレ調整後の実質リターンを見てみましょう。

こちらを見ても、やはり1999年~2010年はほとんどリターンを生み出していないことがわかります。また、1960年~1980年の20年間も、米国のリターンは悪く、他国を劣後していました。

一方、日本のインフレ率を見てみましょう。

このように、現在は0%前後を行ったり来たりですが、かつては年間5%を超えていた時代もあったのです。さすがに高度経済成長期ほどは伸びることは考えづらいですが、今後、インフレになる可能性というのはおおいにあります。(安倍政権も2%のインフレターゲティングをしています。)

リターンは常に一定ではない

また、もう1つ考えておかなければいけないのが、「リターンは常に一定ではない、ということです。」

たとえば、1億円持ってリタイアしたとしましょう。そして、仮に年間の支出が500万円、平均リターンが5%だとします。

このうち、以下の3パターンのような動きをしたとしましょう。いずれもだいたい平均リターンが5%になるように設定されています。)

スタート 1年目 2年目 3年目 4年目 5年目 6年目 7年目 8年目 9年目 10年目
A 5% 5% 5% 5% 5% 5% 5% 5% 5% 5% 5%
B -20% -20% -10% -3% 10% 10% 10% 30% 30% 30% 30%
C 30% 30% 30% 10% 5% 0% 0% 0% -20% -20% -10%

では、それぞれのリターンの場合、毎月500万円使うと、10年後の資産はどうなっているのでしょうか。以下のようなグラフになります。

Aはもちろんフラットです。しかし、Bは約半分になってしまいました。Cはプラス20%程度になっています。このように、たまたまリタイアした年に大きくマイナスが出てしまうと、リカバリーするのが難しくなるのです。

リタイアするときはある程度の余裕を持って

現在の低インフレがいつまで続くか、そして米株のアウトパフォームがいつまで続くかわかりませんし、2018年12月のような調整もよく起こりえます。

リタイア後の生活をシミュレーションするのは悪いことではありません。しかし、投資する以上、リスクがつきまとうことは理解し、余裕を持ってリタイアすることをお勧めします。

それではごきげんよう。

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